2018年9月18日火曜日

公共施設は「機能」を見直し、一元管理と統廃合の検討を(質問原稿全文)

1970年代、日本でもっとも公共施設が増えた時期だそうです。
それから40年以上経ち、つくられた公共施設が大量に更新時期を迎えています。

一斉に老朽化する公共施設と積み重なる維持管理費


当町でも財政が厳しいところではありますが、公営住宅を建て替えたり、クリーンプラザや姉茶橋を改修したり、またファミリースポーツセンターについては今後どうするのか検討をしているところです。
ただし、先般の議会でとりあげた給食センターや昨日話題になった保育所を含め、多くの老朽化した建造物をどうするのか、依然として不透明な状況です。

取り壊しも進む老朽化した公営住宅

補正予算でもときには数百万円単位の修繕費も計上される状況を鑑みますと、想定外に維持管理に費用がかかっている状況もあるのではないか。
となると建設費だけでなく維持管理費、そして解体費も含めて費用を考えるいわゆるライフサイクルコストの観点から、老朽化に対して少しずつ改修するのがよいのか、思い切って建て替えるべきなのか、しっかりと考えなくてはならない。
統廃合も当然検討されるでしょう。

抽象的な方針ではなく具体的な取り組みを


いずれにせよ、すべての建物を維持管理することは困難だとされており、これをうけて国は平成26年「公共施設等総合管理計画の策定にあたっての指針」を定め、各自治体においても現状や課題を客観的に把握するとともに、公共施設の管理における基本方針を定めるものとしています。
当町においても平成29年に計画を策定したところです。
しかしこの計画においては、あくまでざっとした方針と目標を示すにとどまっています。今後具体的にどのように取り組んでいくのか明確ではありません。

現在利用されている施設を減らすことは当然難しいわけですが、しかし計画もつくった以上進めなければなりません。
一体どのように進めるのかを明らかにする趣旨で質問をさせていただきます。

項目1ですが、あらためて当町の公共施設等総合管理計画の方針と目標を伺います。

公共施設の一元管理と取り組みを進める体制は


項目2です。
この問題は報道でも扱われており、一般的には住民の間でも公共施設の数や規模の一定の縮小・削減はやむを得ないだろうという感覚はあるだろうと認識しています。
しかしながら、当町において具体的にどの程度の縮小・削減が必要になってくるのかわかりづらいのが正直なところだと思います。
住民への周知はどのように行われているのでしょうか。

項目3です。
平成29年に総合管理計画を定めてまだ1年半でまだ判断しづらい部分だとは思いますが、定めた目標に対して現状をどう認識しているかを伺います。
また目標は立てても、実際にどのように推進するのでしょうか。
こうした公共施設全体の一元的な管理と具体的な計画策定を主導する体制は整っているのか伺います。 

住民がどのように利用しているか洗い直すべき


項目4です。
統廃合や多機能化をどのような考え方で進めればよいのか。
これは大変難しい問題だと私も思いますが、例えば、利用者数の少ない施設から順番に廃止するとか、同じ体育館なのだから数を少なくしようとか、そうした単純で乱暴な考え方ではまずいだろうと思います。
ではどのように考えればよいのでしょうか。

例えば、例が適切かわかりませんが、今元気ステーションのある場所はもともと空きスペースでした。
しかし当時は高校生らが放課後に雑談して過ごす場になっていました。
意図した使われ方ではないと思いますが、現実にそのように機能していたと言えます。
誤解いただきたくないのですが、それが良い悪いを論ずるつもりはありません。

申し上げたいのは、統廃合や多機能化にあたっては、運営側からの視点と発想で「この施設はこういう目的でつくったが、これくらいしか利用していないからあまり必要ないだろう」と考えるのではなく、「この施設は想定外だったけど現実にはこんな風に住民に認知されて利用されているから、喜ばれているから、その機能はあそこで果たせるようにしよう」と利用者側の視点に立って考えるべきではないかという点です。 

建築系施設については、住民福祉は損なわないまま機能を集約するような考え方で、具体的な施設の統廃合や多機能化を検討し、示すべきだと考えます。
そのためにも各施設ごとに、利用人数や行政側の設置要件にこだわらず、住民からみてどのように機能して利用されているかという観点から洗い直すべきではないでしょうか。

いずれ必要になる財源は基金積立やふるさと納税で


項目5です。
同時にいずれ必要になると考えられる多額の財源確保のためには、基金の積立やふるさと納税も手段とすべきではないでしょうか。
基金をあまり積み立てると財務省から睨まれるという旨の説明も何度か伺ってはいますが、そうはいっても無い袖はふれないわけです。
いずれ間違いなく必要になってくるお金を貯金せずに、宝くじを待つような心境では困ります。
次世代のためにも、やはり着実に基金を積み立てるなり、せっかくたくさんいただいているふるさと納税を有効に活用してはいかがでしょうか。

2018年9月17日月曜日

未来図ニュースvol.8完成。次回は9/20(木)ふれあい会館です!

更新するのをうっかり忘れていましたが、未来図をつくる会も8回目を終えました!

未来図ニュース第8号、完成!


7回目から今までの未来図づくりを一区切りして、進め方を変えました。
どなたか3名の方に「やってみたいこと」をお話しいただき、どうしたらできるか一緒に考えます。
今回もご覧の御三方が発表してくれました!

毎月季節の花があしらわれる未来図ニュース

普段は漠然としている「やってみたいこと」も話をしていると整理されて気づきもあるようです。
すでに動きがあることをご存知のかたもいらっしゃるのではないでしょうか?

次回の未来図をつくる会も「こんなことをやってみたい!」という方数名に話してもらい、そのトピックについて意見交換してもらいます。
アイディア募集や仲間づくり、周知に活用いただけます。
ぜひ未来図をつくる会をご活用ください!

次はどんなワクワクする話が飛び出すのでしょうか??
9回目は9月20日(木)19時からふれあい会館です。

未来図をつくる会はお茶を飲みながらお菓子を食べながら「ああだよねえ」「こうだよねえ」といいながら少しずつ未来図をつくっていきます。
興味ある方はお気軽にお問い合わせ下さい。

未来図をつくる会 vol.9
日時:2018年9月20日(木)19:00~20:30
場所:浦河町ふれあい会館(東町かしわ3丁目1-1)
料金:300円(茶菓子代)

 お問い合わせ・お申込みはFacebookイベントページか、メールでどうぞ。


2018年9月13日木曜日

浦河に必要な広域公共交通って?道内の鉄道&バスの一元化を(質問原稿全文)

JR日高線が被災してから4年近くになり、残念ながらまったく復旧の見通しがたちません。
代行バスになってからというもの、浦河駅から苫小牧まで4時間以上かかるようになりました。
しかもその間、乗り換えが二回。
さらには、運賃の支払い方法や乗降場所、ルートの度重なる変更がありました。 

浦河「駅」ではなく国道沿いの停留所で発着する代行バス


現在、乗り場は駅なのか、国道沿いなのか。
運賃はどう払えばいいのか。
この場に即答できる方はいらっしゃるでしょうか。

住民ですらわかりづらいのですから、はじめて使おうという方には事実上利用不可能だといっても過言ではありません。
事実、あまりの不便さに輸送密度は被災前に比べて3割以上減少しています。

この実情をもって、時間とお金をかけても日高線を復旧すべきか、バス転換により利用者の不便を早急に解決すべきか、管内住民の間でも大きく意見が割れていると承知しています。 

日高線はバス転換を含む選択肢から結論


こうした中、7月末に開かれた沿線自治体の町長会議では、3つの案から検討して11月までに考えをまとめると報じられました。

3つの案とは

  1. あくまで全線復旧、
  2. 鵡川-日高門別間のみの復旧、
  3. 全線バス転換

です。

日高線沿線として、はじめてバス転換も選択肢に挙げられました。
これはこれまでの日高線の全線復旧を大前提としてきた沿線7町の立場とは明らかに異なります。

そこで項目1の質問です。
当町としては、今後の協議においてどのような考えで臨むつもりなのでしょうか。
協議においては、JR北海道が自治体に対して8つの支援策を示しているところです。これに対する評価を含め、見解を伺います。 

不便な代行バスがなし崩しに残ることだけは避けたい


項目2に移ります。
バス転換も選択肢のひとつとして机上にある現状。
ということは、いくら全線復旧を訴えても、場合によってはバス転換の可能性も現実にあるものだと理解しています。
万が一バス転換の方針が決まった場合、それから「さて、どうするか」と考えるのでは遅きに失する。

沿線の七町ではそれぞれの立場や利害も異なります。
どの選択肢を選ぶことになるのか。
合意を得るには大変な困難が予想されます。
話がまとまらなければ、最悪、この不便な代行バスだけがなし崩し的に残るという悲惨な事態になるのではないか、と大いに危惧しています。

こうした事態を避けるためにも、この際、当町の立場として公共交通に何を求めるのか。
これだけは外せないという要件をしっかりとおさえて協議に望む必要があります。

また11月までに結論をまとめるという大変タイトなスケジュールです。
他町にも呼びかけ、早急にこうした観点から論点を整理して協議すべきだと考えますが、町の見解を伺います。

浦河に必要なのはまず都市部と空港へのアクセス


項目3です。
では、私たちは公共交通に何を求めるのか。
ここが今回特に訴えたいところであります。

日高線がこうして長きに渡って運休し、バス転換も選択肢に浮上する中、今こそ、どのような公共交通が必要なのか自治体自ら考える機会なのだととらえています。
あらためて考えてみますと、私としてはやはり都市部への日帰りアクセスと空港へのアクセス、それから広域の交通網の確保を保証していただきたい。

まず都市部へのアクセス。
国交省の考える日帰り圏とは概ね片道2時間半の範囲だそうです。
鉄道においては実現していた2時間半での都市部へのアクセスは今後も保証されるべきだと考えます。
これは当町にとって、住民の専門医療や買い物の需要に応えることにつながります。

それから空港へのアクセス。
この7月末をもって従来の新千歳行き特急うらかわ号が廃止され、8月からひだか優駿号が新設されました。
ありがたいことに空港までは3時間と、従来から1時間も短縮されて利用できる水準になりました。
一方、苫小牧中心部へのアクセスは困難になりました。双方必要なものです。

最後に、広域の交通「網」=交通体系であります。
今ある代行バス含むバス路線は、一般に暮らしている我々ですら大変わかりづらい。
まして地域外からはじめてくる方はなおさらです。 

利用者がわからない公共交通は無きに等しい


先日函館からお客さんがいらっしゃいましたが、浦河にどのように来ればよいかわからなかったそうです。
結局その方には函館から列車で苫小牧まで来ていただき、知人が浦河から苫小牧まで車で迎えにいったそうです。

しかしよくよく調べてみると、昼過ぎに函館をスーパー北斗で出発して南千歳まで来て、今回新設されたバス路線である「ひだか優駿号」に乗り換えれば19時半には浦河に着くようです。
函館から浦河まで7時間ほどで着くならさほど悪くありません。
バスのルートを見直して所要時間を1時間ほどはやめ、かつ他路線との乗り継ぎも考慮いただいた結果とありがたく思います。

しかしこのようなアクセスの仕方、マニアはともかく、一般の方が果たしてわかるでしょうか。
今一度、利用者目線にたってみる必要があります。
利用者がみつけられない公共交通は、ないに等しいわけです。

こうした観点にたてば、日高に限らず、北海道全体の交通「網」として列車やバスがまったく機能していない。
路線ごとの話ばかりで、全道的な交通体系としての議論がなされていません。

JRが売りに出しているお得な周遊きっぷやフリーパスだって、バスには適用されない。
適用されなければ当然これを利用する観光客は、バス路線沿線に来るわけがありません。
道や国のいうインバウンドも観光振興も何もない。
通常の用を足しに来ることすら叶わない。

時刻表と運賃を一元化した全道的な交通網の保障を


ハードルは高いと思いますが、この際、北海道内の交通体系を一元化する提言を町村会として、国や道に強く訴えるべきではないか。
北海道内すべての鉄道とバス両方の時刻表と運賃体系の一元化であります。

今、全道各地で廃線が議論される中、同様の問題意識を抱える自治体も多くあるはずです。
浦河、日高にとどまらない広い視野にたったこうした交通「網」としての考え方の重要性を、少なくとも協議会でしっかり共有いただきたい。 

あらためて項目3をまとめます。
当町としては、都市部への日帰りや空港へのアクセスの確保を最重要視するとともに、この際鉄道と都市間バス等の交通体系を全道的に一元化する提案もすべきではないでしょうか。

地域「内」の交通は厳しくとも自分たちでやる覚悟を


最後に項目4であります。
とはいえ、望むことばかりを一方的に主張してばかりでは叶うものも叶いません。
浦河町として責任をもってこれだけはしっかり私たち自身でやるのだという覚悟も合わせて必要ではないでしょうか。
そしてそれは私の見解では、地域内の交通は自分たちで取り組む意思を示すことだと考えます。

先程のように、持続的で利用可能な広域の公共交通については、道や国が責任をもって確保していただきたい。
そのように道内の他自治体とも連携してしっかりと要請していく。
と同時に、高校への通学を含む地域内の交通は自治体がしっかりと責任をもって担っていく。
こうした覚悟を示すべきではないでしょうか。