2016年6月4日土曜日

ごみ焼却施設は新設せず長寿命化。工事期間中は町外施設を利用へ

6月1日(水)は厚生文教常任委員会で3件の審議でした。
議会も一応クールビズが始まりましたが、まだまだ浦河は肌寒い天気が続きますね。

浦河町クリーンプラザ長寿命化計画


先日の総務産建委で審議された下水道もそうですが、インフラの老朽化は本当に一気にやってきますね。クリーンプラザもそのひとつです。
常時の保全はしていますが、古くなると補修も多くなり、根本的な延命化が必要になります。

平成11年竣工のクリーンプラザ、一般的に20年と言われる焼却施設の寿命が近づいています。
クリーンプラザは大きく「ごみ焼却施設」と「リサイクルプラザ」にわけられますが、今回はこのうちごみ焼却施設で必要だと判断され、町部局より提案がありました。

直接の持込みも多いクリーンプラザ

ちなみにリサイクルプラザですが、造成した埋立地は元々平成27年で満杯になる予定だったところ、町民全員の分別協力により、平成40年まで受け入れ可能な容量があるとのことです。
町外からも大変評価が高いそうですよ!

焼却施設の話に戻ります。
延命化の目標は平成47年までとし、平成29年実施設計、平成30~31年に工事、平成32年より新施設稼働の予定です。
概算工事費は7億3832万円で、このうち環境省の交付金対象事業費は2億3914万円です。
自治体負担分はなるべく条件の良い地方債を起債(借金)する予定です。
新しくつくる場合の建設費は15億9700万円を見込み、比較すると延命化により5億3800万円のコスト削減効果があるとしています。

配布された資料を確認していると、環境省の指導によれば廃棄物ライフサイクルコスト(LCC)と呼ばれる値を算出して延命化と新設とでどちらか効率的か比較を求められるようです。資料にはその計算式と比較表が添付されていませんでした。
この点を委員会では質問させていただきました。

新施設建設費16億円の算出根拠になるのは、今と同じ規模の施設をつくった場合です。
しかし、それは8.5t×2炉=17t/日が処理可能な規模なのです。
現在の実際の浦河町の焼却量は3t/日程度であり、高齢化や人口減少を念頭におけば小規模化も検討可能であり、半分以下でも十分に思われます。
そうすると、新設のほうが安上がりになる可能性もあるのではと指摘しました。

これに対して「書類上の処理能力は8.5tとあるが、老朽化により実際の機能は5t程度になっている。また延命化に際して小規模化は検討の余地があり、実施設計においてあらためて調査される」との答弁でした。
将来世代の負担軽減のためにも、実情に沿った計画で経費削減をお願いしたいところです。

予備のため2炉必要な焼却場

委員会ではそれ以上は問いませんでしたが、小規模新設とあわせたいわゆる「ごみ発電」の可能性が念頭にありました。
ごみ焼却をエネルギーととらえて発電施設化すると、自治体としても売電の可能性がありますし、環境省も循環型社会の形成のため推進しています。
委員会終了後に担当課に聞きに行ったのですが、結論から言えば浦河町の規模だと困難のようです。

つまり、効率的な発電には一定のごみが必要なのですが、十分な量が確保できないそうです。浦河町のゴミ焼却は8時間/日で済んでしまうのですが、24時間稼働させなければ温度が下がってダイオキシンが発生します。
また北欧ではなんとごみの輸入まで行われているようですが、継続的な発電・売電のためには燃料を投下するなどむしろ経費がかかってくるようですね。

延命化工事にかかる2年間は焼却施設が使用不可となり、代わりに近隣町村の施設を利用させていただく方針です。詳しい検討はこれからとのことです。
※ 2年間まるまる使用不可になるわけではありませんでした。訂正記事はこちら
池田町長は「新設はまったく検討しない」との答弁でしたが、直接持ち込む町民や業者の不便や不利益になりそうです。

国民健康保険特別会計決算見込み


平成27年度の国民健康保険(国保)事業は18億9490万円と前年度決算比で1億4002万円増の見込みです。

主な要因は、歳入で交付金(保険財政共同安定化)が増加したことによるものです。
数字だけ見るとちょっと驚いてしまいますが、これは国が格差是正を図った仕組みの変化によるもので内実とはあまり関係がありません。

実質的な規模はあまり変わらないか、むしろ縮小傾向がありそうです。
これは国保加入者が75歳になると、計上先が国保特別会計から後期高齢者医療特別会計へ移行になるからです。浦河町では年間150名ほどが移行しています。
ただし一人あたりの給付費自体は上昇傾向にあり、全体として重病化が進んでいると言えそうです。

さて、国保はほとんどが国や道から補填されるのですが、もちろん市町村の負担もあります。
平成27年度から保険者支援の制度拡大があり、財政調整によってこの市町村負担が少し減りました。
義務的に割り当てられている支出は1億2500万ほどなのですが、これにより不足分として組んだ7000万円の独自予算のうち、今年は3395万円(前年は約5,100万円)で決算見込みです。

町財政の視点からみると、町民のみなさんになるべく健康でいていただくことが負担軽減につながるため、病気の早期発見が重要だとされています。
そのため特定健康診査をひとりでも多く受診していただきたいところですが、浦河町の場合、受診率33%と極めて低い状況です。
担当課から話を伺うと、あれこれと工夫してもなかなか受診につながらないことが多いとのこと。このあたりの対策強化を求める声がありました。

介護保険特別会計決算見込み


平成27年度の介護保険事業は11億2399万円で決算の見込みです。

実際の内容に関しては、この内の保険給付費の計画と支出をみていきます。
支出は10億5012万円と計画比で2700万円増です。

主な要因は、通所リハビリテーションの69件1,391万円増介護老人福祉施設の63件1,507万円増が目立ちます。
前者は、施設職員の報酬増やサービス拡充により件数増加。
後者は、町内施設は満所ですが、子どもや親戚の近くといった町外施設利用が増加。
その他で目立ったのは福祉用具貸与で471万円増ですが、件数自体の増加もある一方、同じ方が症状が進んでベッドや車イスを借りるなど一人あたりの品目増もあったとの報告です。