2016年9月17日土曜日

出会い・結婚支援は「うらコン」だけで大丈夫?一般質問「出会い交流・結婚支援のあり方は」原稿全文

当町が進めている男女の出会い交流や結婚支援の事業、いわゆる「うらコン」ですが、一定の成果を挙げていると伺っています。
「参加してよかった」という方や実際に結婚に結びついた事例もあり、間違ったことをしているわけではありません。毎回少しずつ工夫をし、試行錯誤の様子が伝わってきます。

毎回様々な工夫が重ねられるうらコン

しかし、実状をみてますと、やはり根本的な問題がありそうです。
一度参加しても「次は参加しない」という方やそもそも「参加したくない」という声も少なくありません。

なぜ「参加したくない」のか


例えば、「参加者と同じくらいの人数のスタッフに囲まれ、好奇心でずっと見られてて落ち着かない」「参加者よりスタッフ同士の方が仲良くしてて内輪感を感じる」ですとか、女性は特に「パートナーを探しているという目でみられて参加することがそもそも嫌だ」という声が多いです。
そのたくさんいるスタッフ自身も多くが参加者とはほとんど初対面であり、当日その場でさり気なくマッチングしてくれたり、紹介してくれるわけでもないようです。

とある30代の結婚相手を探している独身女性からは「すぐ隣りに座っていた20代の子は誘われたのに、自分は誘われなかった」という声もありました。
一体どういう人を対象に、どんな支援をしようとしているのでしょうか。

そこで一点目の質問ですが、当町はかつて独身の農家さんの結婚相手になる女性を全国から募集する結婚支援事業「グリーンパートナー事業」を実施し、大変好評だったと伺っておりますが、その実績と終了した理由はどういったものでしょうか。

二点目として、現在の出会い交流支援事業、いわゆる「うらコン」の目的、実績はどうなっているのか。また、参加者や参加したくない方の声を踏まえた事業のあり方の問題点はどう把握しているのでしょうか。

ここでそもそもになりますが、当事業の一番大きな目的は、結婚したいのに、なかなか相手がみつからない住民に対する結婚支援ではないのでしょうか。
であれば、課題とそれに対する解決策があべこべではないでしょうか。

「うらコン」はそもそも課題解決になっているか


相手がみつからないと困り事を抱えている方の多くは、そもそもシャイで、こうしたいわゆる出会いイベントのようなものに参加したくない性格だったりするわけです。
それでも無理やり誘われて参加するのですが、そういう場は苦手ですから、イヤな想いをしたり、誰とも話さず帰ってしまい、もう二度と行きたくないとなるのは考えてみれば当たり前です。

あるいは、マッチングの問題もあります。
年が離れすぎていて話がはずまなかったり、特に女性は年令によって結婚に対する意識はまったく違います。日本では一応、結婚適齢期は20歳から34歳ということにされていますが、20歳と34歳では置かれている状況がまったく異なります。
うらコン参加者だと一緒くたにされても、20歳の男性が34歳の女性と同じくらい結婚について真剣に考えていると思いますか。

このように、現在唯一の出会い交流・結婚支援事業である「うらコン」というあり方だけでは、抱えている課題の解決には不十分です。うらコンそのものあり方もぜひ改善していただきたいところですが、別の方策もそろそろ考えなければなりません。
他地域の事例をみてみますと、必ずしも交流イベントだけが結婚支援ではありません。

結婚支援は出会い交流イベントだけではない


そこで三点目の質問です。
特に真剣にパートナーを探している方の中には、不特定多数が出会いを求めて集まる場を嫌がる方もいらっしゃいます。男女関係はプライバシーにも関わるデリケートな問題です。
そうした事情に配慮し、出会い事業だけでなく、他の都道府県や市町村で実施されているような見合い事業や仲人事業といったタイプの事業実施の予定はないのでしょうか。

これらの事業はあくまで個人個人の事情や条件に配慮した、きめ細やかな対応に効果が認められ、好評だと伺っております。
イベントには行きたくないけど、個々に対応してくれるならばありがたいという方も、こうした事業であれば、大勢に囲まれたり、条件や年齢、結婚意識の差に悩んだりする必要がなくなります。

よく言われる問題点である男性のコミュニケーション不足に関するアドバイスも、不特定多数が集まるセミナーでなく、信頼できる地域の方に個別に相談できたほうがよっぽど効果的のように思います。
当町としても、今一度問題点を検証し、多様な若い人の出会いや結婚に対する意識、ニーズに応えるるために、様々な結婚支援のあり方とその可能性にチャレンジするべきではないでしょうか。

2016年9月16日金曜日

高校生の免許取得はダメ?一般質問「高校生が自ら学び、遊び、働ける環境を」原稿全文

議員になってから約一年半が経ちました。
議員としての仕事をやろうと思えば無限にあるものだと感じております。が、反面、ある程度時間を自由に使える仕事でもあります。と、こういう話をしておりますと、昆布漁師さんやいちご農家さんから「人手が足りないから来て欲しい」と頼まれるようになりました。

そういうわけで、時間の許す限りお手伝いしているのですが、現場に出て初めてみえてくることがあります。
そのひとつが浦河に足りないのは「雇用」ではなく、「労働力」だということです。
そして、それがあまり知られていませんし、それ以前に、人手さえあって家族でしっかり働けば、何とか生活していける仕事であることもあまり知られていないように思います。
これは何とかしたいものです。

そこで考えついたアイディアが、現在は高校の校則で禁止されている高校生の運転免許取得、特にバイクですが、これの許可です
そしてよくよく考えてみれば、これが許されれば、高校生にとっても、浦河町の未来にとっても非常に有益だと考えるに至りました。お金もかかりません。

前置きが長くなりましたが、今回一件目として「高校生が自ら学び、遊び、働ける環境づくりを」と題して質問いたします。

浦河の基幹産業の現場の実態


当町では例年、昆布漁が実質7月から9月にかけて行われ、いわゆるおかまわりが必要になります。浦河だと朝の5時から9時頃まで旗があがり、船が出ます。いっぱいになって戻ってくると、それを降ろして運びます。
ずいぶん重いものですが、その時間に動ける男手が特に足りなくて、助かると仰っていただきました。

また生産量日本一を達成した夏いちごですが、収穫が忙しいのはやはり7月から9月であります。一番忙しい時は深夜2時頃からはじめて9時に出荷、その後も株のメンテナンスで夕方まで作業をしています。
猫の手も借りたい一方、いちご農家は移住者が多いですから知り合いも少なく、手伝ってくれるひとを探すのも一苦労です。

浦河の夏いちごは生産量日本一

さて、こうして寝る間を惜しんで一生懸命収穫したものを選果場に送るわけですが、ご存知の通り選果場も人手不足です。農協職員が交代で徹夜で作業していると聞いています。
時間をかけるほどいちごも痛み、ハネ品が増えます。これを二次選果に回すわけですが、ここでも人が足らず、さらに傷み、規格外にもならない廃棄が増えます。
これでは農家さんの努力が水の泡です。

このように当町の基幹産業の現場では、特定の時期、時間に、集中的に、多くの労働力が不足しております。
特にいちごについては、今後新規就農も増え、一層不足するでしょう。労働力が足りないばかりに、収穫量が減少し、商品の質も劣化します。深刻な問題です。
これをどうにかできないものでしょうか。

高校生がアルバイトをしてくれれば助かる


そこでちょっと考えてみますと、この繁忙期、ちょうど夏休みの期間であります。
これは好都合です。高校生がアルバイトをしてくれれば助かります。

そこでこれが一点目の質問ですが、夏いちごの生産や昆布漁の現場において、こうした特定の時期に労働力不足の構造があると町として認識はあるでしょうか。そして夏休み中の高校生に期待する以外に、その課題解決の具体的方策は現時点で何か他にあるでしょうか。

すでに選果場には夏休み、たくさんの高校生が参加していると聞いています。
が、昆布漁にしろいちご収穫にしろ、現場は徒歩や自転車等では困難なほど中心部から離れている場合も多いです。出勤が求められる早朝は、父母の送迎は困難でしょう。もちろん、公共交通機関を利用することもできません。
しかしここで、高校生が原動機付自転車やオートバイに乗ることができれば、問題ありません。幸いこれらの免許取得は法律で16歳以上に認められております。
ところが現状、浦河高校では免許取得が原則校則で認められていません。

これが二つ目の質問ですが、浦河高校生が免許は許可されないのはなぜなのでしょうか。その経緯と背景はどのようなものでしょうか。またそれを今、町としてどう考えているでしょうか。

高校生が働けば、人手があればやっていける地域の産業を学ぶ機会になり、事業主さんにとっては不足して困っている労働力の確保にもなり、そうして稼いだお給料を地域でつかってくれれば経済への貢献にもなり、と良いこと尽くめであるにもかかわらず叶わないとすれば、町にとって大きな損失です。
部活で忙しくてバイトなんかできないという向きもあるかもしれませんが、このような状況ではむしろ部活くらいしかやることがないのが今の高校生の実態なのではないでしょうか。
私は当然、高校生の免許取得を町として認めてしかるべきだと考えるのですが、いかがでしょうか。
またよくよく考えるとメリットはそれだけではなく、他にも3点ほど考えられます。

免許取得を許可すればいくつもの副次効果が


まずは自前の通学の足の確保と財政負担の軽減です。
JR日高線が運休して一年半以上、先の台風で一層の被害が確認され、復旧はますます遠のいております。仮にこれが廃止となり、バス運行になった場合、池田北見間のふるさと銀河線の事例で申し上げますと、代行バスも当然赤字ですから、沿線自治体でそれぞれ年に1千万円程度を運行に支出しております。
そんな中請願があり、まさに議論の最中の高校通学費助成ですが、これも捻出するとなれば、他自治体の事例では200万円程度が自治体の負担となっております。財政が厳しい中、こうした負担は少ないに越したことはなく、一部でも自力で移動してもらえればありがたいですし、親の負担も減り、来るべき未来に対して先んじて手を打つことになります。

次に高校生の遊びの場の充実です。
当町は少子高齢化の影響もあり、昔に比べて高校生が友達同士で遊べる場も少なくなっています。公共交通機関が充実している都市部に比べ、はるかに自由が少ない状況に不満をもっている高校生もいます。
今、高校生はどこで遊べばいいのでしょうか。

卒業後に地域を離れる子も多いですが、こうした状況では浦河のことを聞かれても「何もないよ」と言わざるをえません。
これでは全町挙げてネガティブキャンペーンを実施してるも同様です。しかし、遊びにも自分の足で行けるようになればどうでしょうか。

当町や近隣には国内外に誇れる豊かな自然環境に恵まれておりますが、徒歩や自転車ではアクセスしづらい場所ばかりです。高校を卒業して地域を離れる前に、こうした浦河のいいところに少しでも接してもらい、地域への愛着が湧く出身者を増やすことにつながります。

これがメリットの三点目ですが、もっと多くの浦河出身者に浦河をPRする応援団になってもらえる可能性を指摘しておきます。
高校生の頃から自由自在に浦河を遊びきってもらう。
このまちに住む豊かさを知ってもらう。
そして卒業しても「浦河はこれだけいいとこなんだよ」と胸を張って断言できる、そういう卒業生を育んでいきたいではありませんか。それが地域の外で浦河を勝手にPRしてくれる応援団をつくることになるのです。

このようにバイク保有の自由化は、都市部に比べてそのメリットは大きいと考えます。
あらためて列挙すれば、高校生の地域産業の学び、地域の労働力の確保、地域経済の活性化、それから、通学の足の確保と財政負担軽減、遊びの場の充実、浦河をPRする応援団の可能性、これだけあります。

バイクがダメになった背景と全国の現状


かつて、高校生に免許をとらせない、かわせない、運転させないという「三ない運動」というものがあったそうです。子どもの安全を心配する父兄の当然の声の結果です。
しかし、これも地域の実情に応じて見直すべきという時代になってきています。
2012年、全国高等学校PTA連合会は、これまで続けてきた三ない運動の決議や宣言を完全に撤回し、地域の実状に応じた高校への運転者教育の受け入れを掲げました

ここに公益財団法人日本自動車教育振興財団が調査した昨年の資料があります。高校生にあたる16歳から18歳の年齢における、都道府県別の免許保有率が算出されています。
1位の和歌山県の免許保有率は、26%です。実に3割が免許を持っている。
2位は鹿児島で24%、和歌山県、沖縄県、茨城県と続いてそれぞれ約17%。それに比べてやはり大都市東京はどうかといえば、6.4%と非常に少ないです。
では、北海道はどうか。

4.4%と全国最低の水準です。全国平均すら10%ある日本の現状です。
これだけ広大な土地を有する北海道でなぜこれだけ認められていないのか。
ちょっとこれは、逆に不自然、不可思議です。

三点目の質問ですが、免許取得やバイク通学について、地域の実状に合わせた判断をすべきとの声も高まっていますが、当町としてはどう考えているのか。都市部に比べても、許可によるメリットは大きいのではないでしょうか。

四点目として、公共交通の視点からみても、JR日高線の復旧問題や通学費助成の請願、デマンドバス等、浦河町内外を取り巻く現状を踏まえれば、高校生が自ら交通手段を確保することも一つの解決方法ではないでしょうか。 

究極は、町として子どもにどう育ってほしいかが問われる


最後の五点目の質問です。
免許取得は法律ですべての国民に認められている権利です。学校の校則が法律に優先している方が不自然な状況とも言えます。

もちろん父兄には安全性を心配する声も多いと思います。昔は暴走行為も多く、非行を心配する方もいらっしゃるかもしれません。しかし、もし危険なら交通安全教育を徹底し、暴走行為は取り締まれば良い。
今の浦高生が鉄パイプを片手に走り回るようにみえるでしょうか。
時代に応じて、ちょっと考えなおしてみてもいいのではないでしょうか。

浦河のような地域、車社会では、高校を卒業すればいずれにせよ交通ルールは必要不可欠な知識です。こうした高校生の運転を前提とした考えから群馬県では2014年12月、議会で交通安全対策に関する決議と交通安全条例を可決しました。

安全も大事ですが、過保護では人は育ちません。
最近の都市部の公園では、危険だからボール遊びもダメ、感染症の恐れがあるから砂場遊びもダメ、近所迷惑だから大声を出すのもダメ、危険だから遊具もダメ、では一体何ができるか教えてほしいくらいだと話題です。
それは極端としても、自分で失敗する前から何もかも禁止にしては、チャレンジする子どもがいなくなって当たり前です。
バイクを許すのか、許さないのか?

これは、自主性を大事にするのか、安全を優先するのか。子どもの自由や権利を優先するのか、大人の心配を優先するのか。 という選択です。
色々とメリットも述べましたが、究極には、これが問われる選択です。
私としては前者を優先し、子どもたちにはのびのびと育ってほしいと考えていますが、当町の教育方針としてどちらをより重視していく考えなのか伺います。


2016年9月15日木曜日

議員定数は削減決定。が、減らすだけでは意味がなく、議会として町民の声を聴く場をつくるべき

先ほど議会後に開かれた議員定数調査特別委員会が閉会し、議員定数を削減するか否かを採決し、削減が決定しました。

浦河町の現状を踏まえ、これからの浦河町のことを最後まで考え抜いたのですが、最後はやはり削減の立場で討論に望みました。
討論の原稿を以下の通り公開しますので、ぜひご覧ください。

浦河町議会の定数は削減すべき


定数は削減すべきとの立場です。
ただし、単に削減するだけでは意味がないと考えており、提案も同時にさせていただきます。


「定数は維持」とする意見の通り、一般論としては、人口が例え減っても集落の数が減るわけでもなく、産業の数が減るわけでもなく、行政部門の数も、もちろん性別の数も減りません。
確かに定数が多いほうが多様な視点から町政をチェックできることができるでしょう。

また例え選挙にならなかったとしても、定数が多いほうが新人が立候補しやすいというのもあるのでしょう。多いほうが各議員の負担も減り、新人も立候補もしやすいのかもしれません。
こうした考えについては、基本的に異論はありません。

しかし、今は一般論としての正しさを議論しているわけではありません
この町の議会、町民が選ぶ代表が集まる議会、浦河町議会の議員定数の議論です。
みなさんは、自分の支持者の声は聞いていると思います。しかし、支持者以外の有権者の声は聞いてますでしょうか

浦河町の現状と町民の声


いわく、 「今の議員は『選ばれた住民の代表だ』『人数は必要なんだ』というけど、実際に俺たちの話を聞いているか。しばらく口をきいたたこともない。報告会だって、自分の支持者も来てないみたいじゃないか。」

これは、単に今の行政や議会に不満をお持ちなのだと思います。
しかもその不満、「町や議員に言っても何も変わらない」とすでに諦めに変わってしまっている。
これが私の知る現状です。

支持者だけが町民ではありません。
特定の誰かを支持しているわけでもない大多数の声にも耳を傾けなければなりません。
みなさん、これが今の現実です。決して一部の極端な意見などではありません。

現役の議員としては、日々浦河町がどうしたらよりよくなるか、限られた時間と人数の中でそれぞれが支持者の声を聞き、精一杯調べ、考え、行動している中、大変悔しいところです。可能なら減らしたくないところです。
しかし、この現実からスタートしなければなりません。

来庁時に表示する名札。全議員にそれぞれ支持者がいます

住民と議会との信頼関係が失われてしまっている。住民が議会を諦めている。
これが「定数を減らせ」という声がでてくる根本的な原因です。

この状態を払拭し、議会への信頼を取り戻す。
浦河町議会を諦めないでもらう。
自分も議員をやってやろうと思われるような議会を目指す。

まずはこれが何より大事なことだと思います。

その声と無投票をどう受け止めるか


であれば、「減らすべき」という多くの町民の声にまずは真摯に耳を傾け、議会としてしっかりと受け止める。減らす。
その上で、ただ減らすだけではなく、浦河町議会の仕組みとして、町民の声をきちんと聞く体制をつくる。町政への関心をもっていただく。理解を深めていただく。
こうした活動を通じて、少しでも議会に関心をもつ町民を増やし、新人が立候補を考えてくれるような土壌を耕す。立候補しやすい環境づくりも一緒に考えていく。

こうしたことは、議員個人や会派の活動では限界があります。
こうした取り組みを議会全体として、積極的に、主体的に取り組んでいく。
「町民のみなさんの声を聞かせてほしいんだ」
「いいアイディアやできることがあれば聞かせてほしいんだ」
そういう姿勢をみせる。
その代わり、間違った認識は堂々と正し「こうなんですよ」と丁寧に説明する。
これは今だからこそできること、すべきことではないでしょうか。

昨年は無投票でした。
これは浦河町議会にとって大きな転換期です。

多くの町民は「ほら、だから多すぎなんだ。やっぱり定数を減らすべき」と思っています。
ところが、議会は無投票だったのにもかかわらず、「定数は減らさない。何も変えない」と維持の判断をすれば、どう受け止められるでしょうか。

「どうせ選挙をやらずに、楽にこれからもずっと議員をやっていたいということだろう」
そう思われます。

そんな事実は決してなかったとしても、現実には間違いなくそうとらえられてしまう。
今だけではありません。これから先もです。
議会への信頼が一層失われてしまうのです。

町民の議会への信頼を取り戻す


みなさん、私たちは「今の議会」のためではなく、「これからの議会」のための判断を「今」しなければなりません。
無風だった今こそ「数が多い方が住民にとってもいいことなんだ」という一般論にしがみつくことなく、これを機会に、議会は身を削ってでも、
「これから未来に向けて、覚悟を持ってしっかりと町政に取り組んでいくんだ」
そういう姿勢をみせるのにもっともよい機会です。
「お、今回は決断したんだな、見直した」
そう思われる議会像をお示しするチャンスです。

そしてただ減らせばいいというわけではありません。
減らして当たり前だと思われているからです。

ですから、それとあわせて今こそ、どういう議会であったら自分が現実に議員になれるか、なりたいと思えるか、町民に広く聞くチャンスでもあります。
これが提案です。

ただ減らすだけなく、声を聴く議会へ


つまり、現在の議会活動に今の議員それぞれが割いている労力、本業との兼ね合いの実態も含めてご説明して知って頂いた上で、ではどこまでどう活動をすれば納得頂けるのか、自分でもやれると思って頂けるのか。
このテーマに絞って真剣に意見を聞く場を設けるべきです。

削減することは、今の議員や町民にとっては決してプラスではないかもしれません。
しかし、未来のために、議会と住民の信頼関係を回復するために、間違いなくプラスになります。
「いくら言っても変わらない」
そういう町民の間にある諦めの気持ちを払拭する。
議会として、減らすという決断をし、広く声をきく体制をつくり、信頼関係を取り戻す。
そして一緒に新人が立候補しやすい環境づくりを考える。

そのためにまずは現状を知ってもらったうえで、議会とはどういうものなのかもお伝えし、どういう議会であれば議員になりたいと思えるかを町民から広く聞く場をもうける。
これに取り組むべきです。 

以上が私の議員定数に対する考えと提案です。
是非、全会一致で削減を決め、その決断を町民にお示しできないでしょうか。

賛否の結果


賛成は10(佐藤、斉藤、井上、神原、辻、中山、古江、櫛桁、木下、武藤)、反対は6(岡崎、武中、米谷、小原、鎌田、飯田)でした。
なおルール上、佐々木議長と荻野副議長(当委員長)は採決に参加しませんでした。

削減の数は今後、議論していきます。
反対の討論は武中、賛成の討論には武藤、木下、井上が意見を述べました。

2016年9月10日土曜日

ウェリントンホテルから土地貸付料の減額請求。これからの大通地区について本質的な議論を

9月1日(木)総務産業建設常任委員会の傍聴報告です。
なお中心市街地活性化計画の審議中に途中退席しましたので、それ以降の部分については配布資料によるものです。

大雨や台風の被害状況


7月28日の町内全域に避難勧告のあった大雨8月17日の台風7号による被害状況と被害額の報告がありました。
今年は浦河に限らず北海道各地で災害が多かったですね。被害にあった方にはこの場を借りて心よりお見舞い申し上げます。

資料の写真を見る限りは相当の被害

被害額ですが、前者では約1億3,000万円後者は約4,400万円です。
主なものとして町内東部の町道や林道で路肩や路体崩壊があり、特に上杵臼新富線の修復に概算2,100万円が計上されました。
水産関連では報道にもあった通り、昆布や干場の流失により計4,600万円です。
これにかかる経費は、来週の議会で補正予算として町部局から提案されます。

堺町川沿団地工事の基礎杭施工状況


昨年の杭工事のデータ偽装問題を受けて引き続き関心の高い基礎杭ですが、現在の整備中の団地工事について報告がありました。
一般的に工事前の試算と実際の工事に差が出てくるものですが、今回は最少0.4m、最大2.2mとなり、請負代金変更が必要な工事については、来週の議会で契約変更の提案がされます。

ウェリントンホテル土地貸付料減額の請求


ウェリントンホテルを運営する株式会社TS開発より、当地の土地貸付料減額が請求されており、浦河裁判所に出頭命令のあった旨の報告がありました。

経緯ですが、現在は年間約680万円で貸し出している5,331㎡について、今年4月6日に当社の弁護士を通じて「妥当な金額ではない」として、約220万円の減額が書面で請求がありました。
当町からは5月20日に「協議したい」と返答した後、まったく連絡がなかったところです。
ところが8月26日付で浦河裁判所より、調停のためとして12月5日の出頭命令があったとのことです。

町部局の説明によれば、当地の貸付料は国道再開発当時の評価額を基準にして50年契約を結んだものです。
町としては、時価と明らかに乖離があれば交渉の余地はあるものという認識はあり、協議する姿勢を示していたにもかかわらず、このような事態になったとのことでした。

過去、当社からは減額について口頭でも書面でも相談したいという話は一度もなく、突然このような事態になり、町としても当惑しているようです。
これからはまず、当地の不動産鑑定を実施し、12月の調停に向けて準備を進めるとのことです。しかし50年契約とはまたすごい契約をしていたのですね...。

浦河町中心市街地活性化計画


私の所属する厚生文教常任委員会(以下、厚生)で議論して承認した「まちなか元気ステーション」を踏まえ、中心市街地活性化にどう結びつけていくのかがあらためて議題になりました。

ところが、複数の委員から「元気ステーションの予算と内容が決まったのならここで一体何を議論するんだ」「この案は採決されたわけじゃない」とゼロから蒸し返す話になってしまい、傍聴を中座させていただきました。

もともと元気ステーションは、昨年の総務産業建設委員会(以下、産建)で中心市街地活性化の議論の中で、町から提案されたものです。
その中身や予算については、所管委員会である厚生で議論し、その結果をもとに再度産建に差し戻す流れと決まっていました。

産建で扱うのはあくまで「中心市街地活性化」の議論です
その地区の一部である商業施設、さらにその中のテナントがひとつ決まったとしても、まだいくらでも議論すべきことはあるはずです。
厚生で出た結論に納得いかないからといって軽視し、何でも産建で決めたいというのは勝手ですが、そもそも自分たちで決めた段取りを反故にした上、代替案すらないというなら建設的な話にならず、時間のムダです。

最近では、採決において会派内での判断の縛りをなくすこともあり、何のために浦河町議会で会派制を採用しているのか正直よくわかりません。
あとから聞いた話では、結論が出ず、会派持ち帰りとなったそうです。
会派制の存在が議会を円滑に進めるためにあるということなら、ぜひとも円滑に進めていただきたいところなのですが...。

風情ある霧の浜町も浦河の魅力

先述の土地貸付料の話もありますが、大通を今後どうしていくのかきちんと考え、策を打たなければなりません。
手をこまねいていては町の中心部の価値下落を放置することになり、居住している商業者にももちろん、行政にとっても町民にとっても損失です。
ここは大通地区の役割と価値を大胆に位置づけ直すと同時に、新たなプレイヤーにかかわってもらえるような取り組みが必要なのではないでしょうか。

優駿の里公園管理


前回の産建で委員から資料提出が要求され、新たに指定管理会社により今年2月末に作成された業務計画書等が町から提出されましたが、中座のため議論の内容は確認していません。

前回も私なりに基本的な考え方を示しましたが、経営内容の細かいチェックは取締役や株主の仕事であり、議会としてできることは、当施設の町としての位置づけそのための支出額の妥当性の判断しかないと考えています。
これも一体委員会として何を議論しようとしているのかいまいちわからない問題のひとつです。


2016年9月7日水曜日

高校生通学費助成を巡る議論へ。まちの交通をどうすべきか?他、タブレット等計5件

9月2日(金)に厚生文教常任委員会がありました。

B型肝炎ワクチン接種事業


1歳未満のお子さん(今年の4月1日以降生まれ)に対して、B型肝炎ウイルスの感染予防の内容が報告されました。
任意ではありますが、全3回分すべて町が助成します。財源は地方交付税が当てられます。

家庭的保育事業等に関する条例改正


全国的に保育士確保が困難な状況のため、小規模保育事業所等での保育士配置要件が緩和されました。
また、建築基準法の改正に伴い、同事業所での避難用設備の構造要件が緩和されました。

浦河町には小規模保育事業所がないため具体的な影響はありませんが、このように国の法改正によって細かく町の条例も変更する必要がでてくることがあります。

浦河日赤の診療時間変更


浦河日赤の診療時間が、10月1日から変更があると委員会で報告がありました。

耳鼻科は、医師の退職と産休により一コマ減り、火曜の午前と午後、金曜の午前と午後の四コマになります。患者数がもともと多くなく、影響は大きくないそうです。
循環器系は利用者が多く、要望していたそうですが、毎週水曜午前と少し増えました。

先般、「浦河の医療機関を守る会」で北見の市民団体をお招きし、取り組みを紹介いただいたそうです。
その中では、医師や看護師も地域の評判を耳にして影響を受けるため、選ばれる地域をつくる必要性があること、それから地域として歓迎する場を持つことの重要性が語られたと報告がありました。北見ではボランティアで取り組まれているようです。

良くも悪くも、昨今は何事にも地域間競争の原理が働いてきていると感じています。
細かい点を近隣町村と争うのではなく、協力し、地域をもっと広い視野で考えなければならないと思います。

小中学校へのタブレット導入


賛否のあったタブレット導入ですが、いよいよ9月26日に納品となります。

学校内のLAN工事は冬休みとなっていますので、まずは朝学習や放課後学習といった時間に、ローカル(端末)で学習アプリで触れていくことからはじまるようです。
導入したからには、子どもたちのためにしっかりと活用できるように、行政としても責任をもって取り組み、工夫を重ねていっていただきたいと思います。

浦河高校通学費補助の請願


住民からの請願があった本件、どのように議論を進めていくかがまず話し合われました。
私からは北海道内各地の同規模自治体や高校の事例をいくつか調べて提出していましたが、事務局からわかりやすくまとまった資料にして配布いただきました。
他、浦高生の通学実態や定期代等の料金をまとめた資料も提出されました。

私の資料をみてもわかる通り、また先日は日高管内の通学費助成の実態が地元紙で報道されたこともあり、まずは感想として、基本的には何らかの助成は必要なのではないかという委員会の印象でした。

しかし委員からは
「定期券でなく、バスカードを使っている子も多いはずだ」
「高校生だけでなく、中学生のことも考えなければ不公平」
「公共交通機関が対象なのか、車での送迎も対象なのか」

と、様々な意見や疑問があり、もう少し細やかに町内の子どもたちの通学実態を調べることになりました。
私自身は浦河の高校生の知り合いがそれほど多いわけではありません。私にでも、他の委員にでも構いません。実状をお聞かせくださいませ。


一年半以上使用されていない浦河駅

今回は、一般質問でも交通に関わることを質問しますが、3年間浦河で生活してみて、現実として車(やバイク)は必要不可欠だと感じます。

浦河に限りませんが、地方においてこうした状況を生んだ責任は、道路を要望してきた地域にあるのか、その要望を汲みとって力にしてきた政治にあるのか、その政策に相互に依存してきた財界にあるのか、そうした状況を容認してきた国民にあるのか。
きっと全員にあると思います。しかし、誰のせいかと責任論で語ることには意味がありません。

交通は、ほとんどの自治体に専門部署が存在せず、住民にとっても空気のようなもので、関心もさほど高くありません。
が故に、日々の生活でもっとも重要なことであるにもかかかわらず、何かあったときに慌てて考え始めるという状況を生み、交通はいわば自治体行政の盲点になる構造がわかってきました。

人口が減れば不便になって当たり前は、本当に当たり前なのか。不便だから人口が減ってしまうのではないか。
まだ考えはまとまりませんし、JR日高線を巡っても国の交通政策については大いに疑問を感じるところではあります。

ただひとつ言えることは、どんな状況であっても、自治体としても未来に向けて知恵を絞り、何らかの対策を考えなければならないことです。
そのひとつの方策として、高校生の免許取得を提案させていただきます。ご意見お寄せ下さい。


2016年9月6日火曜日

高校生が自ら学び、遊び、働ける環境は?「うらコン」はこのまま?次の議会で2件を質問

9月13日(火)から議会です。
今日はその一般質問の発言通告書提出の締切りでした。今回は2件を予定しています。

一件目は、この夏町内の一次産業の現場でお手伝いしてきた経験を元に主張をまとめました。

この夏は昆布漁の「おかまわり」やいちご収穫をお手伝いしました

賛否あるテーマだと思います。
しかし、せっかくヨソモノが議員になったので、賛否くらい起こるような提案をしなければ意味がないのではないかと思います。
当たり前と思ってることを変えればよくなることもあるはず。これを機会にもっと多くの方に考えていただきたいです。

高校生が自ら学び、遊び、働ける環境づくりを


当町の基幹産業である一次産業の現場では、人手さえあれば一層の増収や産業を持続可能なものにできる。特に夏季の特定の時間に労働力が不足している。収穫量や品質の低下にも影響しており深刻だ。

高校生が働けば、地域産業を学ぶ機会になり、事業者にとっては労働力が確保され、そのその給金で地域経済へ貢献も期待できる。
しかし、現場は市街地から遠く、公共交通もなく、現実的に通うことが難しい場合もある。
二輪等の免許取得を許可すれば、こうした地域課題の解決になるのではないか。

さらには通学の足や遊び場へのアクセスが可能になり、親や学校に頼ることなく広大な浦河の自然、魅力を自ら知ることもできる。
自主性が育まれ、送迎する親の負担は減り、卒業後に地域を離れても浦河を誇りに感じ、広く世に伝えてもらうことも期待できる。

1.夏いちごの生産や昆布漁の現場において、労働力不足だと認識はあるか。高校生に期待する以外に、その課題解決の具体的方策はあるのか。

2.浦河高校生が免許は許可されないのはなぜか。その経緯と背景は。またそれを今、町としてどう考えるか。

3.免許取得やバイク通学について、地域の実状に合わせた判断をすべきとの声も高まっているが、当町としてはどう考えているか。都市部に比べても、許可によるメリットは大きいのではないか。

4.公共交通の視点からみても、JR日高線の復旧問題や通学費助成の請願、デマンドバス等、浦河町内外を取り巻く現状を踏まえれば、高校生が自ら交通手段を確保することも一つの解決方法ではないのか。

5.免許取得は法律で認められており、危険なら交通安全教育を徹底し、暴走行為は取り締まれば良い。安全も大事だが、過保護では人は育たない。子どもたちの自主性も大事だと思うが、当町の教育方針としてどちらをより重視していく考えか。


以上です。みなさんはどう思いますか?

二件目は、いわゆる「うらコン」事業についてです。
参加者からはそれなりに評価され、実績もあるのですが、もう少し細かくあり方を改良していくべきと思っています。

出会い交流・結婚支援のあり方は


当町が進めている男女の出会い交流や結婚支援の事業は一定の成果を挙げているが、一度参加しても「次は参加しない」そもそも「参加したくない」という声もある。
今後の制度のあり方について、町の見解を問う。

1.かつて実施したグリーンパートナー事業は好評だったと聞いているが、その実績と終了した理由は。

2.現在の出会い交流支援事業の目的、実績、参加者や参加したくない方の声を踏まえた事業のあり方の問題点はどう把握しているか。

3.特に真剣にパートナーを探している方の中には、不特定多数が出会いを求めて集まる場を嫌がる方もいる。男女関係はプライバシーにも関わるデリケートな問題。
そうした事情に配慮し、出会い事業だけでなく、見合い事業や仲人事業といったタイプの事業実施の予定はないのか。


以上です。
私の順番は中ほどなので、出番は2日目の14日(水)になるかと思います。