議案は主に職員の人事異動に伴う一般会計と各種特別会計の補正予算でしたが、主な争点はこのブログでも何度か話題にした旧野深小学校の処分についてでした。
- 旧野深小学校跡地はサービス付高齢者住宅に?
- 旧野深小学校跡地はサービス付高齢者住宅に?(2)
❏ 処分の方法は適切だったか
結論からご報告すると、旧野深小学校跡地は総額5,376,000円で売却することに賛成多数で可決しました。
売却先は「株式会社看るの会」です。
登記先の「野深1番地の1」は旧野深小跡地の住所 |
反対は荻野、神原、木下、櫛桁、武藤の5名で、賛成はその他11名です。(1名欠席、議長除く)
質疑後には3名の反対討論があり、賛成討論はありませんでした。
私は討論には立ちませんでしたが、他の反対者と同様に町は募集のやり直しをすべきという意見でした。
町内にサービス付高齢者向け住宅ないし特別養護老人ホームが必要との認識は理解しますし、それに反対している議員はいません。
単に町有財産の処分の方法としていくつか問題点を指摘したまでであり、修正してやり直すわけにはいかなかったのか、今でも疑問です。
しかし決まったことは決まったことですので、今後の事業運営に期待をさせていただきます。
以下は報告として、私からの質問と答弁の内容を簡単にまとめておきました。
他の議員の質疑と重複しない部分、主に募集方法・要項に不備があったのではないかという視点から質問させていただきました。
※ 手元のメモ自体の間違いや勉強不足による見当違いがある可能性もあります。ご指摘いただければ適宜修正・注釈します。
❏ 具体的な質疑内容
1.公募型プロポーザルが適切だったのか?
公募型プロポーザルとは、提案内容を審査委員で審査したのち、最高得点者が優先交渉権のある随意契約の形と認識している。
その契約交渉が不調に終わった場合は、次点の候補者との交渉の余地もあるが、今回の募集要項にはその説明がなかったのはなぜか。
審査して最高得点者がそのまま決定するのは、プロポーザルではなく、総合評価による一般競争入札ではないか。
→ 今回のプロポーザルでは、最高得点者の企画を採用する方針だった。
2.「接触の禁止」の項目を設けなかったのはなぜか?
他の市町村では、審査する側と応募する側の事前のすり合わせを防ぐ目的で、双方の事前の「接触の禁止」を募集要項に盛り込む場合もあるが、今回なかったのはなぜか。
金額の打ち合わせを疑われる余地をつくってしまったのではないか。
→ 今回は一括売却にこだわらず部分売却等も提案可能だったため、問い合わせがあった場合に説明する必要があった。
金額の打ち合わせはしていない。
3.高額の参考価格提示は必要だったのか?
今回は「金額にこだわらず広く様々な提案を募りたい」とのことだったが、それならば6,400万円という高額の参考価格をわざわざ提示する必要はあったのか。
むしろ他の提案の参入障壁となり、メリットはなかったのではないか。
→ 参考価格の提示は必須であったと考えている。
4.契約不履行の際はどうするのか?
今後20年間、契約者には提案内容どおりの事業を実施する義務や購入した土地や建物の勝手な売買や贈与の禁止が契約に盛り込まれている。
しかし事実上、低額の違約金(今回はわずか150万円)を払いさえすればそのような条件は無視できてしまうという契約内容という認識でよいか。
→ 契約不履行の際は違約金を払っていただくが、そうならないようにお願いしている。
5.審査委員は適切だったか?
医療と介護とはまったく異なるものである。
このため、元医療従事者による介護福祉施設の運営にあたっては、他の自治体では地域との軋轢が生まれているケースも多いと専門家から聞いている。
このような専門的知識をもって判断のできる外部の審査委員はいたのか。
→ 提案者にはヒアリングを行っており、しっかりと事業を実施していただけるものと判断している。
※ なお、別の議員からの質疑の答弁によれば、審査委員9名のうち、7名が町職員、2名が野深地区の代表者。
「新たに起業する未経験者に事業運営が可能か」の問いにも同様の答弁。