2016年1月23日土曜日

浦河高校生議会、町に遊び場と観光の提言

昨日1月23日(土)の午前中、浦河高校生議会が開催されました。
普段私たちが実際に使用している議場に少し緊張した面持ちの高校生たちが入場し、町長、教育長他の説明員を相手に全部で5班の発表がありました。


1.アエル再活用計画
2.エコロジーな公園で遊ぼう
3.浦河町に外国人を呼ぶ
4.フェスを開催しよう!
5.イルミネーションで冬の浦河をPR

どの班もきちんと調べたうえでの提言であり、とても素晴らしい発表でした。
真剣に取り組んでくれたと思いますので、その内容を紹介するとともに、野暮は承知で私からの簡単な感想を書いておきます。

全体の発表を通じて大きくわけると、分野としては「子どもの遊び場」と「観光」についての提言でした。
またすべてに共通しているのは「大胆な新企画」の提案という点でした。

❏ 子どもの遊び場


昨年実施された総合戦略のアンケート結果をみると、「子どもの遊び場の整備」は子育て世代、高校生ともに重点改善分野の上位にきています。
現役の高校生としてまさに一番身近に感じている問題意識が現れていて、あらためて浦河町がもっと真剣に取り組まなければならない課題だと感じました。

1.アエル再活用計画


まず1は、優駿の里アエルの公園部分をアスレチック化して観光客も来たくなるような場にするという提案でした。
高校生は現状のアエルを「サッカーと乗馬をするところ」「お年寄りが風呂にいくところ」「遊具がダサい」などと感じていると知ったのがひとつ発見でした。
そしてそんなちょっと疎遠に感じている場所を自分ごとに引きつけて提案してくれたことがよかったと思います。

2.エコロジーな公園で遊ぼう


2は潮見町や昌平町あたりの山を整地して再生可能エネルギーを活用した巨大な公園を新設する提案でした。
1でアエルは「立地が悪い」と課題を指摘していたのに対して、浦河町のど真ん中に市街地と同じくらいの規模の公園新設という大胆さが光りました。
公園そのものを発電施設にして売電による利益を見込むしたたかさがいいですね。

10~20年ほど前まではもっと町中に遊び場になるようなところが浦河にもあったと聞いています。
子どもの数が減り、子ども相手の商売は難しくなってきている現状ですが、だからこそ行政としてその環境づくりを支援していかなければならないのではないかと思います。

❏ 観光


3.浦河町に外国人を呼ぶ


3は外国人旅行者を誘致する施策の提案でした。
ツアー造成、外国語案内、お土産の開発の三点でしたが、何よりすばらしいと感じたのは「町内の案内を英語にするくらいなら高校生も手伝える」と自分にできることをセットで提案したことでした。
これは簡単そうにみえてなかなかできないことなので本当に頼もしいと感じました。町としても実現に向けて具体的に検討してほしいものです。

4.フェスを開催しよう!


4は若い人が集まるようなイベントを企画しようという提案でした。
音楽フェスやコスプレフェス、さらにはカラーラン肉フェスといった耳慣れないイベントも提案してくれました。
港まつりもいいけど、もっとよそからひとが来てくれるようなものを
という言葉には、もう少し真剣に耳を傾けるべきと感じました。

5.イルミネーションで冬の浦河をPR


5は冬の観光施策としてイルミネーションを活用したイベントの提案でした。
91万人を動員するなずなの里を具体例として紹介してくれました。
季節を問わず通年で楽しみをつくっていくことは、観光に限らず移住促進事業でも町民の日々の暮らしにとっても大事な視点ですよね。

❏ 大胆な新企画


どの班も大胆でおもいきった企画をしていくべきという考え方でした。
おそらくそれだけ今の高校生が浦河がすたれていっていると感じていたり、もっと活気のあるまちであってほしいという願いがあるのだろうと思います。

私としては発表を聞きながら、せっかく高校生がこのように一生懸命考えて発表まで取り組んでくれるのですから、町としてももう一歩深く、より積極的な関わりをつくっていけないかと考えていました。

今回もそうですが、過去の高校生議会でも観光についての提案が多いようです。
そうであれば例えば、この高校生議会を実施している選択科目「地域学習」もその興味に応じて観光に特化した授業を行ったり、行政への提案だけでなく高校生が主体となった事業の実施を後押しするような動きもできそうです。

今回の発表内容も高校生なりにきちんと調べてはいますが、単なるイベントPR型から脱却したマーケティングにもとづく観光戦略という方針を示した浦河町の観光行政と連動していれば、より深い発表になったはずです。

簡単なSWOT分析だけでもしていれば、各班で浦河の観光の問題点を共有し、より効果的な提案ができていたはずです。
また一発逆転の地方活性化などというものはありえないのですから、その点の指導はしっかりしてほしいと願います。

外部の専門家による授業等も織り込んだ、よりよい地域学習のあり方を議論していきたいところです。