遅くなりましたがこちらでも補足がてらご紹介します。
今年3月に閉校した旧野深小学校跡地の利活用については、公募型プロポーザルで募集をしていました。
応募期間は9月14日(月)から10月30日(金)までであり、その際に参考価格として約6,400万円(土地建物一式、税込)が示されていました。
閉校前の野深小学校 |
募集の結果、一件の応募があった旨が12月3日(木)の総務産業建設常任委員会で町から報告があった次第です。
なお私は当委員会の所属ではないため、発言権のない傍聴でした。
提案内容は報道の通りですが、簡単にまとめます。
❏ 提案者の提案内容と町の見解
平成28年よりサービス付高齢者住宅(以下、サ高住)として活用。
平成32年には社会福祉法人格を取得の上で特別養護老人ホーム(以下、特養)に移行予定。
まずは定員45室50名、月額10万円程度のサ高住を計画しており、事業開始時は看護師、社会福祉士、介護支援専門員、介護職員等12名を雇用し、順次増員する見込み。
購入希望価格は500万円。
以上ですが、町部局としては基本的にはこの提案者への売却を希望しています。
理由としては主に、現時点で特養への入居待機者が町内で50名程度、やむなく町外の特養に入っている方が30名程度と町は把握しており、町内に必要な施設と認識しているからです。
❏ この提案をどう考えるか
委員からは特養不足が解決されるこの活用方法への理解も示されましたが、参考価格である6,400万円と購入希望価格500万円とのあまりのひらきに異論もありました。
町はその点について同意しつつも「あくまで参考価格であり、選考の際は購入希望価格もひとつの審査対象として総合的に判断されるとお伝えしてきた」との説明でした。
また、提案者が改修や設備投資に1億円程度を見積もっていることから、土地建物の取得費にそれほど予算がかけられない事情も勘案したいとのことです。
さて、この参考価格の10分の1以下での売却をどう考えるか難しいところです。
確かに町の説明の通り、今回の事業提案は浦河町がかかえる特養の不足という課題が解決される良案です。
また該当地域の住民の意向としては、利活用方法への要望は特になく、空き家にしないでなるべく早期に活用してほしいとの意見です。もし仮にこの提案を否決すればプロポーザルのやり直し等の措置がとられ、空き家状態がまたしばらく続いてしまいます。
しかし一方、参考価格からあまりにかけ離れた金額であり、この金額で購入できるのであればと優れた企画提案が他にも応募されていた可能性もあります。
実際に応募があったのは一件だけでしたが、結果的に参考価格がまったく選考の「参考」になっておらず、町有財産の処分方法としてはフェアではないと感じてしまいます。
では、いくらであれば妥当だと言えるのか。
町民のみなさんはどう思いますか?
この売却案については引き続き総務産業建設常任委員会で内容が審議され、最終的には1月の議会に議案として提出される予定です。
本件もほんの一例ですが、議会では議員一人ひとりに議案が賛成か反対のどちらかの態度が求められます。