2015年12月22日火曜日

定例会終了、これから議員定数の議論はじまる

第8回浦河町議会(定例会)が終わりました。
予定通り12月15日(火)から17日(木)の3日間でした。

今回は主に補正予算とマイナンバー法施行にともなう条例改正、それから追加議案として議員定数調査特別委員会の設置、日高農業改良普及センター東部支所(以下、東部支所)の存続を求める決議提出を決めました。

議会の傍聴はどなたでも可能です

すべてはとても書ききれないので、私なりに気になった点などを中心に報告してみたいと思います。

❏ 補正予算可決


今回は、補正額を3億2千万円増とする総額92億6千万円の平成27年度一般会計予算案が町部局より提出され、全会一致で可決されました。

歳入では、町税が大幅増の補正でした。
町民税は個人で1千万円増、法人税で500万円増、固定資産税で850万円増です。
当初かなり厳しくみていた個人の町民税でしたが、町全体の総所得が前年度と比較して1億5千万円、納税者ひとりあたり平均3万9千円の所得増の報告でした。法人も同様に概ね好調とのことです。
固定資産については土地建物の償却資産の申告が多かったようです。

歳出では、やはりふるさと納税による基金積立金と特産品発送委託料が大幅増になりました。
今年からはじめたふるさとチョイスへの掲載により、本当にたくさんの方々からお申し込みを頂いております。昨年実績は79件270万円だった寄付金が、今年は12月10日現在で13,841件2億2千万円と金額では80倍です。
町財政上の処理としては、頂いた寄付金は全額(システム手数料は除く)を基金積立金として計上、お礼として発送する業務の委託料(寄付金額の6割程度)を別途計上しています。


やはり海産物が人気

浦河町の場合、寄付者は寄付金の使途をおおまかに「子どもたちが元気に健やかに育つための事業」か「その他」かを選べるのですが、前者への指定が多くなっています。
まだ具体的な使い途は決まっていない状況ですので、来年度以降の予算案はこのあたりも注目されます。

また、農業経営安定化対策支援事業支援金として200万円、漁業担い手支援事業補助金として80万円が増額補正されました。
前者はいちごハウス設置が当初計画の6件から9件に増えたこと、後者は新規2名の追加ということで、前向きな動きだと感じました。

❏ 議員定数調査特別委員会の設置


選挙の際、町民のみなさんから声が大変多かった議員定数を議論できる場がようやく設けられました。
これについては、改選後間もなくから議会運営委員会でどうするか議論をすすめると聞いていましたが、無会派議員ははいれないため経緯を見守っていたところです。

今回は会期中に開かれた議会運営委員会で無会派議員も出席を求められました。
内容としては、議員全員(議長は除く)が委員となる特別委員会を設置し、議員定数に関する調査と検討を行いたい旨の説明を受けました。
特に異論はなかったため本案が議会運営委員会より議会に提出(提出者は武中憲士委員長)され、全会一致で可決されました。
本委員会は荻野節子委員長、武中憲士副委員長のもと、すすめられていきます。

私からは定数削減の主張をしていきます。
今まで削減に反対していた議員も今年の無投票選挙を受けて考えをあらためる可能性が高いと言われています。
引き続き報告していきたいと思います。

❏ 日高農業改良普及センター東部支所の存続を求める決議


これは当日に急遽提出された決議案でした。
東部支所の統合について、飯田美和子議員からの一般質問がきっかけでした。
農業については本当に勉強不足でわからないことばかりですが、一般質問のやりとりや調べたことを簡単にまとめてみました。

10月に北海道庁より、現在4名の普及指導員が勤務している浦河町内の東部支所が新ひだか町の本所に統合される旨の説明がありました。

普及指導員は農業者の技術や経営の向上支援を専門とする国家資格を持つ都道府県の職員ですが、勤務先である各地の支所は「多様化する農業者ニーズ等に対応し、地理的条件などを考慮した基本的な地域活動を展開する」ため設置されているとされています。
なお、農業普及事業については農林水産省のページ北海道庁農政部のページもあるのですが、非常にみづらいです。

さて、統合されて新ひだか町に移ってしまうと、普及指導員の域内農家への移動が浦河町で片道最大2時間、さらにえりも町では最大4時間ともはや日帰りが困難な状況となり、日高東部三町に大きな影響が懸念されます。

また、TPP締結や軽種馬産業の苦境という状況や、夏いちごが2014年に生産量日本一を達成、今年5戸の生産だった浦河特別栽培米も来年は10戸とこれからが期待されている中での撤退は、本来の役割の放棄ととれるのではないでしょうか。

町長からは「統合は明確に反対」との立場を表明されましたが、存続は道へ要望したものの可能性は薄い感触だったとの認識でした。
一般質問後、「このままだと年明け1月の道議会で統合がそのまま可決されてしまう可能性が高い」と一部議員の間で話題となりました。

その際に浦河町議会としても立場を明確に表明する必要性があるとの主張が多く、今回の決議案提出(提出者は飯田議員)の運びとなりました。
この決議は、北海道知事、日高振興局長、管内選出道議会議員宛に送られる予定です。


以上です。
どうしても長くなってしまいますし、わからないことが多いと報告も難しいのですが、少しでも議会でどのようなことが議論されているのかお伝えできればと思っています。

新年の浦河町広報には議会だよりも同封される予定です。
そちらには全議員の一般質問のやりとりを含め詳しく掲載されていますので、ぜひご覧ください。