2016年9月17日土曜日

出会い・結婚支援は「うらコン」だけで大丈夫?一般質問「出会い交流・結婚支援のあり方は」原稿全文

当町が進めている男女の出会い交流や結婚支援の事業、いわゆる「うらコン」ですが、一定の成果を挙げていると伺っています。
「参加してよかった」という方や実際に結婚に結びついた事例もあり、間違ったことをしているわけではありません。毎回少しずつ工夫をし、試行錯誤の様子が伝わってきます。

毎回様々な工夫が重ねられるうらコン

しかし、実状をみてますと、やはり根本的な問題がありそうです。
一度参加しても「次は参加しない」という方やそもそも「参加したくない」という声も少なくありません。

なぜ「参加したくない」のか


例えば、「参加者と同じくらいの人数のスタッフに囲まれ、好奇心でずっと見られてて落ち着かない」「参加者よりスタッフ同士の方が仲良くしてて内輪感を感じる」ですとか、女性は特に「パートナーを探しているという目でみられて参加することがそもそも嫌だ」という声が多いです。
そのたくさんいるスタッフ自身も多くが参加者とはほとんど初対面であり、当日その場でさり気なくマッチングしてくれたり、紹介してくれるわけでもないようです。

とある30代の結婚相手を探している独身女性からは「すぐ隣りに座っていた20代の子は誘われたのに、自分は誘われなかった」という声もありました。
一体どういう人を対象に、どんな支援をしようとしているのでしょうか。

そこで一点目の質問ですが、当町はかつて独身の農家さんの結婚相手になる女性を全国から募集する結婚支援事業「グリーンパートナー事業」を実施し、大変好評だったと伺っておりますが、その実績と終了した理由はどういったものでしょうか。

二点目として、現在の出会い交流支援事業、いわゆる「うらコン」の目的、実績はどうなっているのか。また、参加者や参加したくない方の声を踏まえた事業のあり方の問題点はどう把握しているのでしょうか。

ここでそもそもになりますが、当事業の一番大きな目的は、結婚したいのに、なかなか相手がみつからない住民に対する結婚支援ではないのでしょうか。
であれば、課題とそれに対する解決策があべこべではないでしょうか。

「うらコン」はそもそも課題解決になっているか


相手がみつからないと困り事を抱えている方の多くは、そもそもシャイで、こうしたいわゆる出会いイベントのようなものに参加したくない性格だったりするわけです。
それでも無理やり誘われて参加するのですが、そういう場は苦手ですから、イヤな想いをしたり、誰とも話さず帰ってしまい、もう二度と行きたくないとなるのは考えてみれば当たり前です。

あるいは、マッチングの問題もあります。
年が離れすぎていて話がはずまなかったり、特に女性は年令によって結婚に対する意識はまったく違います。日本では一応、結婚適齢期は20歳から34歳ということにされていますが、20歳と34歳では置かれている状況がまったく異なります。
うらコン参加者だと一緒くたにされても、20歳の男性が34歳の女性と同じくらい結婚について真剣に考えていると思いますか。

このように、現在唯一の出会い交流・結婚支援事業である「うらコン」というあり方だけでは、抱えている課題の解決には不十分です。うらコンそのものあり方もぜひ改善していただきたいところですが、別の方策もそろそろ考えなければなりません。
他地域の事例をみてみますと、必ずしも交流イベントだけが結婚支援ではありません。

結婚支援は出会い交流イベントだけではない


そこで三点目の質問です。
特に真剣にパートナーを探している方の中には、不特定多数が出会いを求めて集まる場を嫌がる方もいらっしゃいます。男女関係はプライバシーにも関わるデリケートな問題です。
そうした事情に配慮し、出会い事業だけでなく、他の都道府県や市町村で実施されているような見合い事業や仲人事業といったタイプの事業実施の予定はないのでしょうか。

これらの事業はあくまで個人個人の事情や条件に配慮した、きめ細やかな対応に効果が認められ、好評だと伺っております。
イベントには行きたくないけど、個々に対応してくれるならばありがたいという方も、こうした事業であれば、大勢に囲まれたり、条件や年齢、結婚意識の差に悩んだりする必要がなくなります。

よく言われる問題点である男性のコミュニケーション不足に関するアドバイスも、不特定多数が集まるセミナーでなく、信頼できる地域の方に個別に相談できたほうがよっぽど効果的のように思います。
当町としても、今一度問題点を検証し、多様な若い人の出会いや結婚に対する意識、ニーズに応えるるために、様々な結婚支援のあり方とその可能性にチャレンジするべきではないでしょうか。